四角い頭と思わぬ難産〜はじめまして。生後1日
2015年9月29日夜、妻が少しおなかが張って痛いと言った。
予定日は9月22日だったが、なかなか生まれてくる様子もなく、2人で毎日のように階段を上がったり下りたりしていた。
ようやくだったので、お願いしていた御影の助産院に連絡。「もう少し様子をみてください」ということだったので、2人して寝た。
夜1時(9月30日)に妻に陣痛がはじまり、再度助産院に電話。「すぐに連れてきてください」ということだったので、急いで車に妻を乗せ、御影へ。
「9月中には生まれるな」と思っていた。
しかし。ももはなかなか出てこなかった。陣痛も思うほど痛くならず(妻は苦しんでいたが、助産師さんはまだまだと言っていた)、結局10月2日朝、「はじまって30時間が経過したので、助産院ではこれ以上対応できない」と大阪市内の千船病院へ。
車で移動しながら「無事、生まれてくるだろうか。苦しんでいる妻はこのまま死んだりしないか」後ろ向きな妄想が頭に繰り返し浮かんだ。
病院の雰囲気は、助産院とはまるで違った。到着したら、看護師、医師(みな女性でどれが医師かがはっきりしなかった)が取り囲み、「促進剤をうちましょう」と注射。
注射した後、20分もしただろうか、「お父さん、一緒についていてください」と分娩室へ。分娩直前の痛みの様子はまるでちがった。妻は必死の形相。
取り囲むスタッフは冷静。「思いっきり力んで!」と声をかけた。妻がのけぞりながら必死で力むとするっとあなたが僕の目の前に。2015年10月2日11時27分。自宅を出てから35時間近く経っていた。
お腹の中にいるだろうと想像していた、ももが、現実になった。生まれるなり大きな声で「ふぇーん」、指をくわえていた。スタッフが「この子もう指くわえてる~」と笑顔。
生まれたももは、かわいくて可愛くて、感動で涙がでた。しかし。
はじめてももを見た妻はもちろん喜んでいたが「可愛くはない」と僕の気持ちとはズレていた。妻に抱きかかえられると、おっぱいを探すような様子。試しにくわえさせるとハフハフを上手にすった。
ちょうど到着した母がその様子を見てわらった。
後日、助産院でベテラン助産師があなたを見て「この四角い頭が産道にひっかかって出てきにくかったんだと思います」と言っていた。